成果主義というバカらしさ

年功序列だった日本の会社に「成果主義」というシロモノが持ち込まれたのはだいぶ前のような気がする。

年功序列が良いとは思わない。

しかし、「成果主義」は社員の給与を値切り、リストラという名の退職勧奨にお墨付きを与えるためだけに導入されたのだと思っている。

ハイリスク、ハイリターンという言葉がある。

自身でリスクを計り、そのリスクを理解した上で挑戦した結果、失敗したのであれば、それはそれで仕方ないし、その責任を負う必要もあるだろう。

その場合、本人もその評価に納得せざるをえまい。

それでも、社内に挑戦を控える風土を作りたくなければ、それに配慮した「評価」と「処遇」があるべきと考えるよ。

そしてね、何よりね、成果っては即効で出るものではない場合が多いのだ。

それまでの社内にはびこる垢を少しずつこそげ落して、本来の力を発揮できるようにする、そういう地道な活動は、もちろん光が当たりにくい。

それだけでなく、時間がかかる。

垢にまみれてのんびり漫然と日々を過ごしている他の社員たちに問題を気付かせ、前を向かせるだけでも大変な苦労なのだ。

それを僅かな期間で「成果が出ていない」とするのは如何なものか。

「成果」ってさ、何をもって「成果」とするのか、どういう尺度で、光の当たらない大勢の社員の苦労をどう「評価」するのか、そこまで考え抜かれていなければ、ほとんど社員の意志とやる気を削ぐ「言い訳」にしかならない。

オレはしがない契約社員だ。

今のオレの上司が、今度降格の上に、これまで全く経験したことのない職種の部署へ異動になったそうだ。

ご本人が最も悔しいし、やり切れないだろう。

オレたちだってやり切れない。

部下思いで、気配りできて、口は悪いが他部署への連絡役なども自ら買って出てくれる方だ。

今の部署がガタガタで、色々な業務が滞っていて、それを何とか立て直そうと奮闘されていた。

その成果がわずか1年で出るとでもいうのだろうか?

それとも、この分野でノウハウのある外注先を見つけて、そこに丸投げしてしまえばうまくいくとでも思っているのか?

どんどんシステム開発を外注に出した結果、開発したソフトウェアの情報が流出して、海外で安い価格で売られている点をどう見ているのか?

それとも無線LAN機器が故障して、民生用の無線LAN機器を「安いから」と無理矢理導入させた結果、まともに使えないと分かるまで四苦八苦したことを上司の責任だと考えているのか?

上司は、業務用無線LAN機器が高いのには理由があるのだ、と懸命に説明しようとしたのに、電気量販店で安い物を買ってくればよいと言ったのだ「経営陣」ではなかったか?

とはいえ、本当に意味のある「成果主義」というものがどんなものなのか、オレには分からない。

ただ、社員をやる気にさせる評価制度こそが、良い制度だとオレは思う。

にゃおやしき

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